チャッカル・チハンはジャープ最初の詩である。
 ジャープとはジャプと同じ意味であり、第十代グル、ゴービンド・シングによって作られ、彼の詩文の集成であるダサム・グラントの第一章に置かれている。
 日用祈祷においては、ジャプジーの次に唱えられるようになっている。
 ジャープは20のチャンド(詩の形式、区分)に分けられ、全199節で構成されている。
 その最初のチャンドがチャパェ・チャンドであり、そこに納められているのがChakkar chihan(円印、記章)で始まる詩であり、ジャープ全体の序章でもある。
 チャッカル・チハンは節番号がなく、残り199節は神名の羅列と帰依文からなる短文の集成である。
 それは、チャッカル・チハンの最終行にある、「あなたの行為に従って、あなたの御名を称える」ということに対応している。
 同様の形式の先駆として、イスラムのアッラーの99の美名を唱えるズィクルがある。



イク・オンカール。正師の恩寵。
吉祥なるワーヘグルの勝利。
ジャープ
第十代支配者(グル・ゴービンド・シング)の聖なる口によって表された。

チャパェ・チャンド

(彼には)円印(額に付ける識別の印。チャクラ)なく、記章もない。色(生まれによる身分。ヴァルナ)もなく、ジャーティ(カースト)もなく、また血統もない。
形なく、色相もなく、線もなく、衣装もない。彼について何かを言うことはできない。
不動の形姿。その威力の光輝は語られぬ大洋。
百万のインドラ達の中のインドラ(神々の王を表す普通名詞化されたインドラ)。万物の皇帝達の皇帝。(ペルシア語由来の表現)
神々、人間、悪魔の三界の支配者。あなたを「ネーティ、ネーティ」と森の木々は讃えている。(ブリハッド・アーラニヤカ・ウパニシャッドを下敷きにした表現。相対性を脱した絶対存在は何かであると言うことができず、ネーティ、ネーティ(~ない、~ない)と否定表現しかできない。アーラニヤカの語源アラニヤは森という意味。これを踏まえて、実際の森の木々や草の葉音がネーティと言っているように聞こえるという詩的表現。)
あなたの全ての名を口にすることができるだろうか。(それは出来ぬ故に)あなたの行為に従った名を以て、あなたを讃えまつらん。


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